ジェームズ・マディソンは、1809年から1817年まで在任した第4代アメリカ合衆国大統領である。
アメリカ合衆国憲法と権利章典の起草に携わったことから、しばしば「憲法の父」と呼ばれる。
マディソンの著作や演説は、アメリカの歴史を通じて広く引用されており、政府、政治、世界におけるアメリカの役割に関する彼の考えは、今日もなお重要性を持ち続けている。
民主主義は最も
マディソンの最も有名な引用される言葉の一つは、『連邦主義論文』第10号にある。
その中で彼は、次のように記している。
「民主主義は最も卑劣な政治形態である…民主主義はこれまで乱世と争いの光景であり、個人の安全や財産権とは両立しないことが分かっており、一般にその寿命は短く、その死は暴力的である」
“Democracy is the most vile form of government… democracies have ever been spectacles of turbulence and contention; have ever been found incompatible with personal security or the rights of property; and have in general been as short in their lives as they have been violent in their deaths.”
この言葉は、多数派が少数派の権利を踏みにじる可能性があるため、純粋な民主主義は危険であるというマディソンの信念を示すためによく引用される。
彼は、個人の権利を守り、専制政治を防ぐ方法として、権力を分離し、制限する共和制を主張したのである。
よく教育された国民だけが
マディソンのもう一つの有名な言葉は、1829年にW.T.バリーに宛てた手紙で、
「よく教育された国民だけが、永久に自由な国民であり続けることができる」
“A well-instructed people alone can be permanently a free people.”
と書いていることである。
この言葉は、自由な社会を維持するために教育が重要であるというマディソンの信念を浮き彫りにしている。
彼は、教育を受けた国民は、共和制を維持し、個人の権利を守るために不可欠であると考えたのである。
国民が無知で腐敗し
マディソンはまた、世界における米国の役割についても強い考えを持っていた。
1821年の議会へのメッセージの中で、彼はこう書いている。
「国民が無知で腐敗し、民衆に堕落したときにのみ、主権を行使することができなくなる」
“It is only when the people become ignorant and corrupt, when they degenerate into a populace, that they are incapable of exercising the sovereignty.”
この言葉は、米国は領土を拡大しようとしたり、他国の問題に干渉したりすべきではないというマディソンの信念を反映している。
その代わりに、アメリカは自国の共和制政府を維持し、他国の模範となることに注力すべきであると考えたのである。
奴隷の財産権は
マディソンは奴隷制の問題についてもいくつかの有名な言葉を残している。
1820年、彼は
「奴隷の財産権は、憲法の中ではっきりと明示的に肯定されている」
“The right to property in slaves is distinctly and expressly affirmed in the Constitution.”
と書いている。
一方で、
「我々は、最も賢明な時代において、単なる肌の色の違いが、人間が人間に対して行使する最も抑圧的な支配の根拠となったのを見てきた」
“We have seen the mere distinction of color made in the most enlightened period of time, a ground of the most oppressive dominion ever exercised by man over man.”
とも書いている。
これらの言葉は、マディソンの奴隷制に対する見解の複雑さを物語っている。
彼は、憲法が奴隷所有者の権利を保護すると信じていたが、同時に奴隷制の道徳的・政治的問題も認識していた。
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